確証バイアス、ご都合主義の罠とは?

「恋は盲目」などと言いますが、人を好きになるとその人の良い部分しか目に入らなくなります。
逆に、嫌いな人についてはその嫌な部分ばかりが目につきます。

そして思うのです。
「やっぱりあの人は全てが素敵 (´∀`*)ポッ」
「一方、あいつはやることなすこと全て最悪だ ( ゚д゚)、ペッ」と。

そんな状態で、もしその二人がそれぞれ電車でお年寄りに席を譲る場面に遭遇したとしたら一体どう感じるでしょう? 

好きな人に対してはきっと「やっぱ素敵ーーー・:*:・(*´∀`*)ウットリ・:*:・」となることでしょう。
一方、嫌いな人に対しては「偽善ぶるんじゃねぇーーー(# ゚Д゚) ムッカー」となるかもしれません。

……これが「確証バイアス」と呼ばれるものです。

以下でさらに詳しく見ていきましょう。

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目次

確証バイアスとは?

「確証バイアス」とは、個人の先入観に基づいて他者を観察し、自分に都合のいい情報だけを集めて、それにより自己の先入観を補強しようとする心理的傾向のこと。

つまり、好きな人に関しては良い情報を、嫌いな人に関しては嫌な情報を集めようとする深層心理が人間にはあるということです。

そして、それにより自分が思い描いていることは正しいんだと確認し、その考えをさらに補強しようとするのです。

この「確証バイアス」は別名「ご都合主義の罠」とも呼ばれています。

その名の通り、自分に都合の良い情報しか受け入れようとせず、反対意見などには耳を貸しません。
このために、時に物事を冷静に判断できず間違った選択をしてしまうことがあるのです。 

どうやら私たちには事実を冷静に理解する前に、潜在意識下で好き嫌いを決めてしまう傾向があるようです。

頭より心が先に動くのです。

そして、それにしたがって事実の方を都合よく解釈しようとする傾向があるのです。

意思決定を歪める要因

ちなみに、この「確証バイアス」は投資やビジネスなど合理的な判断が求められる場面においては意思決定を歪める要因として有名です。 

投資においては、ついつい自分が投資している会社にとって都合の良い情報を過大評価し、都合の悪い情報を過小評価してしまいがちです。

そしてそれが間違った投資判断につながってしまうのです。 

また例えば、脱サラして事業を始めようとしている人なども、この「確証バイアス(ご都合主義の罠)」に陥りがちです。

脱サラして成功したい気持ちが強いですから、どうしても都合の良い情報ばかりに目が行き、都合の悪い情報にはほとんど関心を示しません。

そうして実際に脱サラした後で自分の見通しが甘かったこと気がつくのです。

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投資詐欺も確証バイアスが原因

定期的にニュースになる「投資詐欺」などもまさにこの心理につけ込んだ詐欺です。

第三者から見れば明らかにおかしいとわかるようなことも、当の本人は「確証バイアス」のご都合主義に陥っていてそのことに気がついていません。

だから、「元本保証で利息が年30%」などと絶対にありえないような投資話を信じてしまうのです。

確証バイアス(ご都合主義の罠)にハマらないために

もちろん、確証バイアスが常に悪いわけではありません。
好きな人をどんどん好きになることは間違いではありませんし、恋したら冷静でいる必要もありません。

ただし、投資やビジネスにおいてはこの確証バイアス(ご都合主義の罠)のおかげで誤った判断をしてしまうことがあるので注意が必要です。

確証バイアス(ご都合主義の罠)にハマらないために私たちにできることは、「信頼できる人にアドバイスしてもらうこと」や「あえて反対意見の人の立場になって考えてみる」ことなどです。

なんにせよ、特に大きな決断の前には、いったん立ち止まって「もしかしたら自分は確証バイアスに陥って冷静さを失っているのかもしれない」と考えてみることも必要かもしれません。

特に惚れやすいタイプ、のめり込みやすいタイプの人は気をつけましょう。


カテゴリ モチベーション理論
 タグ  脳科学

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