仕事辞めたい……
感情労働と魂に悪い仕事

仕事やめたい

「仕事やめたいなぁ……」

満員電車に揺られている人たちを見ていると、思わずそんな言葉が漏れ聞こえてきそうな気がします。

毎日自分を押し殺して我慢して働いている、できれば今の仕事は辞めたい、かといって仕事を辞めても今より良い仕事が見つかる保障もない。
周りの人たちだって我慢して働いているわけだし、「仕事やめたい」って単なる自分のわがままかなぁ...。

そんな迷いを抱えながら、今日も自分を奮い立たせて頑張っている人は少なくありません。

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目次

頑張りすぎは危険

「仕事をやめたい」と強く思いながらその感情に蓋をして無理やり頑張り続けていると、いつの間にか「人生への希望」や「働く意欲」といったものを失ってしまっていることがあります。

嫌々労働力の切り売りをしていると、かけがえのない人生が無味乾燥なものに色褪せてしまうのです……。

そうして消耗しきってしまうと、現実逃避的にお酒やギャンブルに過度にのめり込んだり、うつ病になってしまったりすることだって珍しくありません。

「石の上にも3年」などと、真面目な人ほど自分の心の声を無視して精神論で頑張りすぎてしまう傾向があるので注意が必要です。

忠誠心が報われない時代

右肩上がりの社会の中で終身雇用が一般的だった昔と違い、今の会社には従業員の人生を丸ごと面倒見る力はありません。

もはや会社に忠誠を尽くせば報われる時代ではないのです。

にもかかわらず、我々の中には「自分を押し殺してでも組織に忠誠を尽く」ことを良しとする文化が未だに受け継がれているような気がします。

使われるだけ使われて捨てられる、そんなことにならないために、自分の身は自分で守らなくてはいけません。

増える感情労働

数年前から、感情を切り売りする「感情労働」というものが注目されるようになってきました。

感情労働とは「会社などから管理・指導され、自分の感情を押し殺して業務を遂行することによって賃金を得る仕事」のこと。
肉体を使って稼ぐ「肉体労働」や頭脳を使って稼ぐ「頭脳労働」に並ぶ新しいカテゴリーです。

感情労働といえば、苦情処理部門やコールセンターのオペレーターなど相手の言うことに耐えるタイプの仕事や、看護師やCA(キャビンアテンダント)をはじめとする接客業が代表的なものだと言われていましたが、最近はどの職種も感情労働的になってきたと言われます。

自分の感情を押し殺しながら低賃金で働く仕事がどんどん増えているということです……。

嫌いな仕事を続けるのは一種の拷問

嫌いな仕事をしなければならないのは一種の拷問です。

仕事が嫌だと思うと朝起きるのがつらくなり、仕事が終わっても明日の仕事のことを思って憂鬱になってしまいます。

こうなると、せめてプライベートだけでも充実させようとするでしょう。
しかし残念ながら、仕事の充実がなければたいていプライベートの充実も難しいものです。

すぐにでもやめるべき仕事

「なぜ援助交際がいけないのか?」「私の体なんだから私の勝手でしょ」という女子高生の問いに、臨床心理学者の河合隼雄氏は「魂が傷つくからアカンのや」と答えました。

仕事についても同じことが言えます。

違法行為はもちろん、詐欺まがいの仕事や従業員を使い捨てするようなブラック企業で働いていいると、どんどん魂が傷ついていってしまいます。
自分に向いていない感情労働も同じことです。

その仕事をしていると、自分を偽っていると感じる、自分の魂を売っている、傷つけているように感じる、人間としての尊厳を失っていくと感じる仕事は、やればやるほど人生の質が落ちていきます。そうした仕事はできるだけ早くやめるべきです。

悪い我慢をし続けると、疲弊しすぎて働く意欲そのものが根こそぎ奪われてしまいます。
そして、自分を偽り続けるとどんどん自分を大切にできなくなっていってしまいます。

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仕事辞めたいけどお金がない

仕事を辞めたくても、お金がなくてできないという人もいるでしょう。

しかし、本来お金は人生にとっての手段であり目的ではないはずです。 単なる手段であるはずのお金のために人生という大切な目的をないがしろにするのはあまり懸命な姿勢とは言えないでしょう。

仕事は人生において大きなウェイトを占めるものの一つです。
その仕事が苦しいばかりであれば、いつまでもそこにとどまっていると、人生そのものも損なってしまうかもしれません。

お金などの障害は、知恵と工夫次第でなんとか乗り越えることができるはずです。
お金を理由にして、嫌な仕事をいつまでも続けるのはやめましょう。

「仕事辞めたい」と言えない理由

仕事を辞めたいと思っても、それをなかなか言い出せないという人も少なくありません。

勇気を出して言わなくてはいけないとわかっていても、やっぱり簡単に言えないのが人間の心理かもしれません。 

「仕事辞めたい」と言えないのはなぜでしょうか。
ためらわせる理由は、たいてい次の3つです。

職場に迷惑がかかるから

自分が辞めれば、当然その分仕事に穴が空いてしまいます。

もしそうなれば誰かがそれを埋めるしかないわけですから、当然迷惑をかけてしまうと考えるのは普通のことです。

しかし、会社側としたら人員が足りなければ、あなたに支払っていた賃金で他の人を雇って穴を埋めるだけです。

しかも、引き継ぎをしっかり行えば、ほとんど支障なく仕事を辞めることも可能なはずです。

裏切るような気がする

特に、職場での仲間意識が強い場合などは「仕事を辞めること」=「仲間を裏切ること」と拡大解釈してしまうことがあります。

そうなると「仕事を辞めたい」と言い出しにくくなってしまうかもしれません。

しかし、自分のライフステージの変化などによって、仕事に求める条件が変わるのは当然です。

それは誰にとっても当たり前のことで、 すでに自分に合わなくなった場所にいつまでもとどまるのは自分にも周りにもあまり良いことだとは言えません。

「退職」というより「卒業」というイメージで、出るべき時は出た方が良いでしょう。

引き止められそう

日本では、いまだに終身雇用だった時代の価値観が残っています。
そのため、転職に対する心理的なハードルは今だに高いままです。

特に、上司や両親はその時代の価値観を持っており、退職を引き止めることが多いでしょう。

とはいえ、他人はあなたの人生の責任を取ってはくれません。
自分のことですから、最後は自分で決めるしかありません。

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嫌な仕事は惨めな人生につながる

イヤイヤ仕事をしている人は、そうでない人に比べて「自分は惨めな人生を送っている」と思う割合が2倍以上高いのだそうです。

自分の本質に合わないことをやると人生が楽しくなくなります。
「嫌なことをやらされている」という感覚は、自分の人生を惨めなものと感じさせる最大の要因です。

ところでこの場合、「嫌なことをさせている」のは誰でしょうか?

自分以外の誰かが強制的に他人に嫌なことをやらせているのだとしたら、それはもちろん犯罪です。

結局、「自分に嫌なことをさせているのは自分」ということになるのではないでしょうか。

青い鳥症候群

もちろん仕事ですから時には我慢も必要です。
「やりたくないからやらない」だけでは生きていけません。

自分がいま幸せでないのは会社が悪いからだと、理想の会社を求めて次から次へと転職を繰り返す人もいます。

現実を顧みずに理想ばかり追い求める姿は「青い鳥症候群」とも呼ばれます。

また、今の会社に対する不満に飲み込まれると「何はともあれ今の会社を辞めたい」という思いが強くなり、自分の置かれている現状を冷静に判断できなくなることもあります。

「早く楽になりたい」一心で、何の見通しもなく「なんとなく」仕事をやめてしまうと、結局より条件の悪い仕事につかなくてはならなくなる、なんて話もよくあることです。

仕事を辞めるにしても冷静に行動する必要があります。

仕事辞めるべき?

今の会社を辞めるべきか、冷静に判断するとどうなるでしょうか?
きっと、次の3つのパターンに分かれるでしょう。

1、すぐにでも辞めるべき仕事

パワハラや過重労働をはじめ感情労働や魂が傷つく仕事などで心身ともに疲弊している場合、その仕事はすぐにでも辞めるべきでしょう。

そのまま続けていては、きっと体を壊してしまいます。
そうなってしまうと、今よりさらに苦しい状況に追い込まれてしまいます。

2、計画的に辞めるべき仕事

仕事と自分がミスマッチの状態の場合は、計画的に辞めるべきだと言えるでしょう。

数ヶ月単位で計画を立てて、次の転職先を探すなど、自分にとってマイナスにならない方法を探りましょう。

3、今は辞めるべきでない仕事

今の会社は100点満点とは言えないものの、自分次第でまだ可能性があるのなら、もう少し努力してみる必要があるでしょう。

明らかにより有利な転職先が見つかっている場合を除いては、無理にリスクを追う必要性はあまり感じません。

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まとめ

ここまで、「仕事辞めたいな……」と考えている人に向けて色々と書いてきました。
最後にこの記事のポイントを簡単にまとめておきます。

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 タグ  仕事

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