従業員満足度(ES)プロセスをわかりやすく解説③

従業員満足につながる会社の戦略・目標

今現在、何を目標にしてどのような戦略を取っているのか、も従業員満足には大きく影響を与えます。

例えば、「企業理念・会社の方針」と全く一貫性のない目標や戦略を取っていれば、従業員は会社のことを信頼できなくなるかもしれませんし、目標の設定があまりにも現実離れしていれば、モチベーションは上がらないでしょう。

また、目標を目指す道のり、つまり戦略が曖昧であったり、実現不可能なものであったり、「その戦略なら目標に到達できる」と従業員が思えるものでなければ、やはり本当の意味でのモチベーションは高まらないはずです。

会社としての目標と個人の目標

目標には会社(事業部や部署)など組織の目標もあれば、個人の目標もあります。

組織としての目標は、「売上○○円」や「粗利○○%」「クレームゼロ」「不良品ゼロ」など、組織として何の達成を目指すのかを明確にし、方向性を示すための指標のようなものです。

そのため、掲げられる目標は達成具合がハッキリと計れるように、数値で目標を掲げることが圧倒的に多いはずです。

数値での評価ができないと、その達成度が正確に計れないので、なかなか本気でコミットすることができません。
従って、数字に表しにくい目標を掲げる場合でも、何とか数字で表せるように考える必要があるでしょう。

また、個人の目標に関しては、最近MBO(目標管理制度)などを導入している企業も多いですが、組織の目標と個人の目標のベクトルをうまく合わせることがポイントになります。

それができれば、一人ひとりのモチベーションも高まり会社の成長にもつながります。

ただし、個人目標の場合はその設定や評価など運用面がなかなか難しい面もあり、評価者や上司などの力量に左右されることも多いようです。

コーチングの利用

目標管理や部下との関わりの中でコーチング(対話を通して本音を引き出し行動に結びつけていく手法)を戦略的に利用する企業も増えてきました。

コーチングをうまく利用できれば、会社の目標と個人の目標をすり合わせしたり、本音を引き出したりすることによって、目標や業務を一方的に押し付けるのではなく、従業員自ら積極的に行動するよう促したりすることができるようになります。

上司が部下に対してコーチングをするだけでなく、外部の専門のコーチに依頼して組織内で活動してもらう方法もあります。(たとえばこちらの「組織内契約コーチ」

勝てる戦略を描くのは経営陣の仕事

例えば、「今年は皆、休日も返上して精一杯頑張ってくれた。おかげで目標の売上1億を達成した。来年は今年の倍頑張って2億を目指そう!」
などと言われたら、従業員は「もうこれ以上頑張れない。倍なんて絶対無理だよ」と思うかもしれません。

1億から2億の目標設定が実現可能で魅力的な数字であったとしても、ただ単に「今年の倍頑張る」という戦略では従業員のモチベーションは上がらないでしょう。なぜなら、もうこれ以上頑張れないから。つまり、その戦略では目標を達成できないから。

「来年は2億を目指す!そのために人員を増やす。」や「設備を増強する。」など、目標に達するための根拠を従業員に対して明確にして、「それなら目標が達成できる」と信じてもらえるような戦略を描かないと従業員満足度は下がってしまいます。
勝てる戦略を描くのは経営陣の仕事です。

経営陣からのアナウンス・意思決定プロセスの透明度

企業理念や会社の戦略、目標を明確にすることが、従業員の満足につながるという話は既にしました。
ただし、これらはいくら壮大で誰もがあがめる様な尊いものを打ち出したとしても、それを的確に従業員にアナウンスしていき、しっかりと浸透させなくては「絵に描いた餅」です。

つまり、「理念や目標を創ること」と「それを導入・運用すること」は別けて考えなくてはいけないということです。
立派な理念や目標を創った後は、それをいかに導入していくかを考える番です。

理念や目標の導入の仕方

どうすれはうまく導入し運用していくことができるのか?

やり方は色々あるでしょうが、まずは適切なアナウンスが必要です。
「えー。わが社の理念はこうで、目標や戦略はこうすることにしました!以上。」
などと、朝礼などで突然言って終わりでは全く浸透しません。

従業員に浸透し、実践されてこそ始めてその理念や戦略は価値を持ちます。
朝礼・社内報・会社案内・ホームページなど、様々な方法で適切に繰り返し内外にアナウンスしていく必要があるでしょう。
手間を惜しんではいけません。

また、どうしてそのような理念や戦略などを立てたのか、意思決定のプロセスを透明にすることも従業員満足につながります。
もちろん、その意思決定プロセスがフェアなものでなくては従業員は納得しません。
密室で決められたことを、上からのトップダウンで一方的に押し付けるだけでは納得感は得られません。

 

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