従業員満足度(ES)プロセスをわかりやすく解説④

従業員満足につながる社長の魅力・上司の魅力

居酒屋などでグチを言っているサラリーマンの話を聞いていると、「上司のグチ」が多く含まれていることに気がつくかもしれません。
その他にも、「会社の方針」なども多く聞かれるはずですが、毎日接する上司への不満はやはりそれだけ溜まり易いのでしょう。

上司のどこに不満を感じるのかは、大別すると「人としての人間性」と「仕事に関する能力」に別けられると思います。
いくら仕事ができても、人間性に問題があれば部下の不満は溜まるでしょう。
逆に、人間性は素晴らしいものの、仕事ができない上司に対しても不満は出るでしょうが、コチラのほうはそれ程深刻な問題にはならないかもしれません。
仕事ができない度合いによりますが、この場合は多少仕事ができなくても人間性でカバーできそうです。

つまり、上司のメインの仕事は部下をまとめることであって、自らが率先して仕事を実行することではないはずなので、やはり「仕事力」より「人間力」が問われるのでしょう。
西郷隆盛も「功ある人には禄(ろく)を与え、徳ある人には地位を与えよ。」 と言っています。
もちろん、両方できるのがベストであり、あまりにも能力のない者が上に立つと、その部下は不幸になってしまう可能性がありますが、人の上に立つものは「人間性」がなによりも大事です。

これはもちろん、組織のトップである社長にも間違いなく当てはまるでしょう。

人の上に立つものの魅力とは

では、人の上に立つ者の「人間性」とはなんでしょうか。
「包容力、理解力、共感性、決断力、公平性、信念・・・」など色々思い浮かぶと思います。

完璧な人間はいませんので、求められる人間になるように日々努力していくことが重要であり、それによって一歩ずつでも成長していくしかないでしょう。

まずは、部下の話をしっかりと聞き、部下を「尊重し」「応援する」ことから始めてみるのもいいかもしれません。

従業員満足につながる評価・処遇制度

組織で働く以上、従業員は必ずなにかしらの評価・処遇を受けるはずです。
良い評価を受け、それに見合った待遇を受けることは、ほとんどの従業員の目指すとところといっても良いでしょう。

ただしこの場合でも、良い評価とはどのような行為に対して行われるのか、またそれによってどのような待遇を受けるのか、といったところが従業員満足につながっているのか考えてみる必要があります。

たとえば、仕事上の成果を出すことは大抵評価につながると思いますが、評価する項目はそれだけなのか。他にも、社内のイベントを積極的に推進したとか、採用されなかったが業務改善のアイデアを積極的に出したとか、直接成果に結びついていない項目などをどう評価し報いるのか、考え直してみる必要があるはずです。
評価されるものに対しては、従業員も積極的に取り組むはずです。

また、「何を評価し何を評価しないのか」をクリアにしておくことは、従業員満足にも直結します。

評価・処遇に関して、「あいつは上司に気に入られてるから」などという陰口がたたかれることは良くあることですが、これももともとは評価・処遇制度の不透明さから来るものであって、そのプロセスや決定要因などがクリアにされていれば、こういった陰口もかなり減るはずです。

「あいつは評価された。なぜなら○○だから」もしくは「私は評価されなかった。なぜなら○○だから」。この「○○」に納得いく言葉が入れば、誰もが納得せざるを得ません。

ここに「上司に気に入られてるから(嫌われたから)」などが入ると納得できないでしょうが、「あらかじめ打ち出されていた評価要因を充たした(充たせなかった)から」という言葉が入れば納得せざるを得ないはずです。

もちろん、従業員も納得できる項目を評価対象にするべきですし、それをどのように評価するのかにも注意を払う必要があります。
直属の上司だけが評価するのか、同僚や部下など360度評価を導入するのかなども重要なポイントになってくるはずです。

仕事自体の楽しさ・やりがい・将来性

従業員が「仕事が楽しくて、やりがいがある。そして将来性も感じている」と言う会社があれば、その会社の業績はきっと悪くないでしょう。そして将来的にも発展していく可能性が極めて高いはずです。

なぜなら、会社の業務の実行を担う従業員が高パフォーマンスを発揮しているということですから。スポーツでいうならば、選手が皆絶好調状態です。監督やコーチが下手なことをしなければ、常勝軍団になるのは間違いないはずです。

この「仕事自体の楽しさ・やりがい・将来性」などは、勝手に従業員がそう思ってくれるのを期待して待っていても、おそらくはいつまで経ってもそうはならないでしょう。
そう思ってもらうために、会社として意識的に仕向けていくことが必要になってきます。

もっとも、会社や仕事に何を求めているかは人それぞれ違いますから、それぞれに合ったやり方で「やりがいや将来性」を感じてもらうよう考えていく必要があります。
この場合、特に上司の役割が大きくなるはずです。一人ひとりの特徴を理解したうえで、それぞれに合ったアプローチやフォローをしていかなくてはならないからです。

やりがいを感じるように仕事を任せる

仕事の楽しさややりがいを抱かせるには、「責任を与える、任せる、達成させる、承認する」などをうまく利用します。単に結果に対する報酬を支払うというだけでは足りません。

また、その仕事自体に意義を見出せるように、その仕事が「誰に、どのように」役立っているのかをハッキリさせてあげるのも有効です。
現在の分業化された仕事においては、自分の仕事が誰にどのように役立っているのかを認識しづらくなっているからです。

頑張りが報われると思わせる

また、従業員がしっかりと会社や自分の将来に期待を抱けるように配慮する必要もあります。
将来を悲観されてしまったら、モチベーションや満足度も下がってしまいます。一人ひとりが希望を持てる環境。言い換えれば、「頑張れば報われる」と思えるかどうかです。

報われ方は人それぞれの思いがあるはずです。「頑張れば年収1千万円」「頑張れば出世できる」「頑張れば表彰される」「頑張れば定年まで安泰」などです。
「頑張っても報われない」環境では、将来を悲観し満足度は急落してしまいます。
「頑張れば報われる」という一見当たり前のよう環境がしっかりとできているのか、もう一度自社を見直してみる必要があるのではないでしょうか。

社内コミュニケーション・チームワーク

会社という組織の中には多くの人間が存在しています。組織は個人の集合体ですから、それぞれの力が集まり組織の力になります。

ただし、組織の力は「個人の能力×人数」という単純な総和にはなりません。
1の力を持つ人間が100人集まったとして、単純に100の力を発揮することはなく、10しか発揮できないこともある一方、1,000の力を発揮することだってあります。

スポーツのオールスターチームが必ずしも強いチームでないのと同じことです。
そこには、コミュニケーションやチームワークに基づく「役割分担」や「適切な人材配置」「リーダーシップ」「チームワーク」など多くの要素が絡んでくるからです。

組織を構成しているのは「人」です。そして「人」は機械装置ではないので、常に一定のパフォーマンスを発揮するわけではありません。
チームワークや人間関係がうまくいき一致団結して目標を目指していなければ、「人」は最大のパフォーマンスを発揮できないのです。

コミュニケーションがカギ

ここでのカギは、やはり「コミュニケーション」でしょう。
チームワークを良くするためにも、円滑なコミュニケーションは不可欠です。
円滑なコミュニケーションを実現するためには、そのベースとなる「信頼」を日ごろから積み上げるよう努力しておかなくてはなりませんし、信頼を積み上げるには、何度も的確なコミュニケーションを重ねる必要があります。

それらは、何も意識せず勝手に作り上げられるのを待っていたり期待するのではなく、戦略的に考えて自ら進んで施策を打たなければ理想的な形はできません。

具体的には、従業員同士、上司と部下、部門間、経営陣と一般従業員。外部も含めれば、顧客と従業員、地域社会と会社など様々あり、それらに対して、しっかりとしたコミュニケーションが取れているのか検討するのです。

そして、量と質は十分か考えてみて不足している部分には何か手を打つ。
コミュニケーションが円滑に取れる仕組みを導入するわけです。

従業員間であれば、飲み会や社員旅行など色々な方法があるはずです。ただし、それらの目的は従業員同士の親睦を深めるのが目的ですから、業務の延長になっては意味がありません。
例えば、親睦が目的の飲み会であれば、上司の説教などはやってはいけない行為でしょう。目的が違っています。

つまり、こうしたコミュニケーションの機会をただ取るのではなく、どのような頻度でどのようなコミュニケーションを取っていくことが効果的かを考えた上でそれを的確に実行していく必要があるということです。

 

スポンサーリンク

このサイトは、生き方・働き方を模索する人のためのWEBマガジンです。月間300万pv。運営者は原宿に住むコーチ、ブロガー。
→もっと見る

Follow
Facebook
X
Instagram
メールマガジン