高収入を求める人ほど高収入を得られない不思議な現象
誰だって少しでも高収入を求めるのは当然のことです。だって収入が増えればその分生活が楽になるわけですから。
でも、高収入ばかり求めて仕事を選ぶと後で後悔することになるかもしれません……
高収入を求める人ほど、結局は高収入を得られていないという事が明らかになってきているからです。
例えば、米イエール大学の研究チームの調査結果には次のようなものがあります。
陸軍士官学校の士官候補生1万1320名の入学志望動機を調査。
それによると、収入や地位など物理的な報酬を志望動機としていたグループは、やりがいや成長など内発的なものを志望動機としていたグループに比べ、退学者が多く、入隊後も昇進が遅く、5年以内に除隊するケースも多かった。
つまり、収入や地位を求めた人ほどそれを得られなかったのです。
……なぜそうした結果になったのでしょう?
それは次のような心理学の観点から読み解くことができます。
2種類の動機
人間が行動を起こすための動機には2種類あります。
「内発的動機づけ」と「外発的動機づけ」です。
- 内発的動機づけ
意義ややりがい、真理探究などを動機に物事に取り組む姿勢。やっている事そのものに価値を見出す態度。 - 外発的動機づけ
名声や富、高い地位などを動機として物事に取り組む姿勢。やっている事よりその対価としての報酬に価値を置く態度。
たいてい人間は、この2種類の動機づけの両方を持っています。
ただし、そのバランスは人それぞれで、それによってその人が取る行動も変わってきます。
外発的動機づけを強く持っている人は、仕事の対価としてお金や地位などを求めていますから、それが得られなければ仕事の意欲も失ってしまいます。
しかし、求めるようなお金や地位を得るためには、たいてい多くの時間と労力が必要です。
とはいえ、外発的動機づけだけではその苦しい時代を耐え抜くだけの持続力がありません。
結果として、高収入などの外的報酬を求め職を転々と渡り歩くものの、最後まで満足いく報酬は得られないという事態に陥りやすいのです。
一方、成功する人はたいてい内発的動機づけをエンジンに動いています。
高収入よりやりがいや成長を重視して仕事に集中します。内発的動機づけには、苦しい時代を耐え抜く持続力もあります。
結果として、持続的な努力の積み重ねにより仕事の能力も高まり、長い目で見ると高収入にも繋がりやすいというわけです。
▼関連情報
この2つの動機についてさらに詳しく知りたい人は「アンダーマイニング効果」も参考に。
まとめ
これが高収入を目指してお金のことばかり考えると結局それを得られないというジレンマです。
やっぱり、高収入を得るには地道な努力を続けるしかないのです。
そして、その地道な努力を続けるには内発的動機づけが必須というわけです。
就職や転職など、職業選択の際にはこの二つの動機のバランスを考えて仕事を選ばないと、後で後悔することになるかもしれません。
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