挑戦者としての栗城史多

20018年5月21日、エベレストへの無酸素・単独登頂にこだわり続けていた登山家の栗城史多(くりき のぶかず)さんが、自身8度目となるエベレスト登頂に挑戦中亡くなりました。 35歳でした。
栗城さんは大学山岳部に入部してから登山を始め、山との対話を大切にしながら、3年間で6大陸の最高峰に単独登頂。
12年秋には4度目の挑戦となったエベレスト登山で両手・両足・鼻が重度の凍傷になり、手の指9本を失います。
しかし、それでも諦めることなくチャレンジを続けていました。
栗城さんは、「冒険の共有」と称して登山の様子をインターネットで生中継するなど、精力的な情報発信を行っており、その様子は多くの人の共感を呼んでいました。
私自身も、そんな彼の姿に励まされた1人です。
登山家としてというより挑戦者としての彼を心から応援していました。
栗城さんの言葉
栗城さんの著書「一歩を超える勇気」の中に書かれていたことをいくつかご紹介します。彼の生きる姿勢やなぜ登山を続けていたのかが理解できるはずです。
夢は叶う叶わないは関係ない。夢を持つことに意味がある。 山頂に着くことよりも、山に向けて切磋琢磨しながら成長していく自分が楽しい。実は本当に大切なのはそこなのではないか。 夢を持つだけで前向きになれる。もちろん失敗や挫折もあるだろうが、それはけっしてマイナスなことではないのだ。 失敗は終わりではない。夢をあきらめ、歩みをなくした瞬間にすべてが終わるのだ。 生きるとは何か。 僕は「希望(夢)を持ち、行動すること」だと思っている。
山へ行っても行かなくても、いずれ人には必ず死が訪れる。 危険なところに行っていると命を無駄にしているように思われることも多いのだが、決してそうではない。 むしろ「死」と隣り合わせになることで「生」を感じ、生きていることへの感謝の気持ちが出てくるのだ。 死を覚悟することによって、自分は何のために生きるのか、何に命を果たすのかを考えるようになる。 人間にとって長く生きたかどうかは関係ない。大切なのはどう生きるのかだ。
誰もが自分の殻を破り一歩踏み出し、自分が生まれてきたこの命を思いっきり何かにつかいたいと思っているはずだ。 冒険家や登山家の本当の使命は、記録を作ることではなく、やはり人に勇気と感動を伝えることではないかと思う。 僕は「冒険の共有」をすることによって、だれかの一歩踏み出す勇気になりたいのだ。
最期に「ありがとう」を言ってこの世から去れる人間になれるように。そのためには、中途半端に生きてはいけない。 何か自分に出来ることを毎日精一杯やろうと。そしてそのためには目的を持たなければいけないと思った。
彼の言葉は、私たちを勇気づけ背中を押してくれます。
彼は単なる登山家というより、挑戦者であると同時にむしろ表現者・体現者という方が近いのかもしれません。自分が表現したいもの、体現したい生き方があり、その手段がたまたま登山だった…。
栗城さんが最後に見たものは
栗城さんの挑戦はここで終わりました ──
常に感謝の気持ちを持ちながら、困難にチャレンジし続ける姿を私たちに見せてくれていた彼が最後に何を思ったのか、それを知る術はありません。
しかし、最後まで挑戦することをやめず、その中で力尽きた栗城さんに対しては、「お疲れ様。ありがとう」という言葉をかけたいと思いました。
facebookに投稿された栗城さんの最後のメッセージは次のようなものでした。
みなさん、ナマステ。今、7400mのところに来ています。 今は、このエベレストを苦しみも困難も感じ、感謝しながら、登ってます。 かなり慎重に、やり遂げたいと思っています。 みなさん、応援本当にありがとうございます。 叱咤激励を含めて、自分と同じように何かにチャレンジする人たちに向けて、この共有が役に立てばと思っています。 みなさんと一緒に、登っていけたらと思ってます。 応援ありがとうございます。
ご自身の言葉通り、栗城さんは最後に「ありがとう」の言葉を残していきました…
ご冥福をお祈りします。
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