吉田松陰の座右の銘〜知行合一とは?

『知行合一』(ちこうごういつ、ちぎょうごういつ)とは、“知識”と“行為”は一体であるという考え方のことです。

これは、中国・明の時代の思想家である王陽明(おうようめい)が唱えた陽明学の中で最も有名な思想でもあります。 吉田松陰が、自身の私塾である松下村塾にこの「知行合一」の掛け軸を掲げていたことでも知られています。 

ここではそんな「知行合一」について、この言葉に込められた二つの意味を出来るだけわかりやすく紹介していきます。

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行動主義としての「知行合一」

「知行合一」のまず一つ目の意味は、どんな知識も行動が伴っていなければ、不完全であるという考え方です。 これは、王陽明が知識ばかりを先行させ何ら行動を起こさない多くの思想家たちを危惧していたという背景から来ています。

確かに、知識をどんなに詰め込んでみても、そこに実践が無ければ意味がありません。本来、知識というものは何かを実践するために獲得するものです。 しかし、知識ばかりを溜め込んでそれを一向に実践しないことは案外多いのかもしれません。

例えば、将来起業したいと考え様々な準備をしているけれど、結局いつまでたっても一歩を踏み出さない……。
他人の体験談を読んで自分もやった気になっている……。
他人の失敗を批判するばかりで、自分では何ら行動しない……。 

いつの間にか、実践のために学ぶのではなく、学んでいるだけで満足しているなんてことは案外少なくないのかもしれません。 本来、「知」と「行」は切り離すことはできないと「知行合一」では考えますが、それがいつの間にか切り離されているわけです。 

つまり「知っているのにやらないのは、知らないということと同じだよ」ということです。 誰だって多少は心当たりがあるのではないでしょうか。

ましてネットを通してたくさんの情報が手に入る情報過多のこの時代ですから、知識ばかりが先行して行動が伴わないということは頻繁に起きていそうです。
そういう意味で、「知行合一」は現代に生きる私たちにとっても必要な思想と言えるのかもしれません。

時として暴走する思想 

「知行合一」をモットーとしていた歴史上の人物は少なくありません。 前述した吉田松陰をはじめ、高杉晋作、中江藤樹、大塩平八郎、三島由紀夫……。

皆、強烈なまでの行動力を持っていた人物です。 

それもそのはずです。「知行合一」の思想は行動を重視しますから、時として若者を無謀な行動へと暴走させてしまうのです。 

知行合一の考え方では、「知っているだけで行わないのは、知っていることにはならない」と理解されます。 したがって、知ってしまった以上断固として行動すべし、という過激な思想になりやすいのです。 この点には注意する必要もあるでしょう。

心を鍛錬するための「知行合一」 

さて、「知行合一」にはもう一つの意味があります。 「考え」と「行動」は切り離せないものであるから、「考え」を生み出す「心」を鍛錬し、それによって行動を変えよと言う教訓のようなものです。

例えば、心の中でどんなに悪いことを考えたとしても、それを実際の行動に移さなければ罪はないという考え方があります。 もちろん、法律的にはそうです。

しかし、それは「心」と「行為」を別々だとする価値観であり、「知行合一」の教えには反します。 この場合、行動にさえ出さなければ、頭の中で何を考えていても、つまり「心」がどんな状態であっても良いということになってしまいます。

しかし実際には、心のあり方が人間の行動を左右します。日頃の思いや価値観が行動を規定します。どんな心がけで生きているのかが、その人物の行動となって現れていくわけです。つまり、内も外も一体なのです。 

だから、心を鍛錬せよというわけです。 行動だけでなく、心を清く美しく保つことが大事だというわけです。 

なんとなく、行動も精神も高潔であることを目指した、凛とした武士のような佇まいがイメージされます。

まとめ 

「知行合一」は、心と行動を正していこうとする考え方です。 言い換えるなら、まっすぐな生き方を貫こうとする人の座右の銘となるような言葉です。

私はこの言葉を思い出すと、なんだか背筋が伸びるような思いがします。 利害や損得でなく、崇高な理念のもとに自分を投げ出すような覚悟を感じるからです。 

一貫した芯のある生き方をしたい方は、この言葉を胸に刻みながら生きてみても良いのではないでしょうか。暴走しがちな点には注意が必要ですが……。

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