人事を尽くして天命を待つ
「人事を尽くして天命を待つ」という有名な言葉があります。
その意味は「できる限りのことをしたら、結果は天の意思に任せるのみ」といったところ。
つまり、「結果は気にせず、今できることにベストを尽くしなさい」という意味でもあり、「行動」と「結果」は切り分けて考えなさいという教訓の言葉でもあります。
人は誰もがついつい結果ばかりを気にしてしまうからです。
「これからやるプレゼン失敗したらどうしよう……」
「明日のテストの結果が悪かったらどうしよう……」
そんなことばかり考えて、気が散ったり、集中できないなんてことが起きてしまいます。
でも、結果がどうなるかを今考えても仕方ありません。今やれることはベストを尽くすことだけです。
なぜなら、ベストを尽くした上で結果がどうなるか、またそれを他人がどう評価するかはその人にはコントロールできないことだから。
自分でコントロールできないことを思い悩んでも仕方ないので、そこは運命(天の意思)に任せて、自分は自分のできることに集中しましょう。
この言葉によって、それを思い出すことができます。 そして、良い意味で開き直ることができます。
この言葉が時代を超え、今でもよく使われているのは、やはりいつの時代も人は結果のことをアレコレ思い悩んでしまうからです。
特に心配性の人には有効な言葉です。
結果のことでアレコレ心配になったら思い出しましょう。
そして今できることに全力を尽くしましょう。
結局、それしかないのですから。
ご都合主義のポジティブシンキングではダメ
なお、元総理大臣の高橋是清は次のように言いました。
「真実の楽天的境地は人事を尽くした後でなければ得られない」
この言葉から読み取れることは、「楽天的境地」には、「真実」と「真実じゃないもの」があるということ。
おそらく、後者は「根拠なき楽観」ということでしょう。やるべきことをやってないのに「きっとうまく行くはず」と思うようなご都合主義のポジティブシンキング。
楽天的になれるかどうかは、結果ではなく、全力を尽くしたかどうかで決まるということです。
同様に、「人事を尽くして天命を待つ」のも、「人事を尽くす」つまりベストを尽くしたからこそ「あとは天命を待つのみ」と言えるのであって、何もせずにただ「天命を待つ」だけでは本末転倒だということを忘れてはいけません。
▼関連情報
「努力の名言21選」も参考に。
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