居場所がない……という人のための居場所づくりのポイント
「どこにも自分の居場所がない……」
そんな風に感じている人が世代を問わず増えています。
国際機関OECD(経済協力開発機構)の調査によれば、「他の人と時間を過ごすことがほとんどない」と答えた人の割合は、日本人男性が約17%(女性は14%)で、調査した21カ国の中でダントツのトップ。21カ国平均のおよそ3倍だったそうです。
つまり、日本人の5〜6人に一人は孤独を抱えながら生きているということです。
今の日本において、「居場所がなく孤独」というのはもはやその人個人の問題ではなく、構造上の問題と言えます。
かつての日本人は、地域や家族、職場といったコミュニティが人々の「居場所」になっていました。誰もがそこに属することで精神的にも安心感を得ていたのです。
しかし、地域のコミュニティは都市部ではほぼ消滅し、家庭にも安心できる居場所がないという人が増えています。また、職場のコミュニティも昔のように安心感のある居場所を提供してはくれません。
かつて当たり前のようにあった人々の居場所は、もはや当たり前のものではなくなってしまったのです……。
そんな中で、ちょっとしたキッカケで自分の居場所を失ってしまうと、なかなか簡単に取り戻せないのが今の日本の現状です。
例えば、就職するために地方から上京してきた若者は、職場の人間関係に馴染めなければ、途端に全ての居場所を失ってしまいます。
言うまでもありませんが、ここで言っている「居場所」とは、物理的な居場所ではなく精神的な居場所のことです。 そこにいることで(その人たちと一緒にいることで)所属の安心感を得られる居場所です。
私たちは居場所がないと感じると、元気でいることができません。 米国の教育学者ドロシー・ロー・ノルトは次のように述べています。
「自分には確かな居場所がある。自分を必要としてくれる場所がある。その安心感があればこそ、人は強く生きられるのです」
私たち人間にとって居場所があるということはとても大切なことなのです。
目次
SNSで居場所を見出す?
家や職場に居場所がなくても、SNSを利用すれば常に他人とつながっていることはできます。 今の時代であれば、バーチャルなコミュニティの中に自分の居場所を見出すこともできそうな気がします……。
しかし実際には、SNSを長時間利用する多くの若者は居場所がなく孤独です。その寂しさから繋がりを求めてSNSに毎日アクセスしながら、むしろ孤独を深めているのです。
居場所を感じる時
では、私たちが「こここそ自分の居場所」だと感じるのはどんな場所なんでしょうか?
人間は仮に大勢の中にいたとしても、その人たちが自分の存在を認めていないとわかれば寂しく感じるものです。 したがって、ただ人の輪の中に入っていれば良いというわけではありません。
他人が自分の存在を心から認めてくれたら、その時初めてそこが自分にとっての居場所だと感じることができるのです。
たとえどんなに小さな範囲であっても、自分が認められているという確かな手応えがあれば、そこを拠りどころにして立っていることができるのです。
第3の居場所(サードプレイス)
家や職場に自分の居場所がないと感じるのなら、「第3の居場所」を見つけることが必要かもしれません。 「第3の居場所(サードプレイス)」とは、「自宅(ファーストプレイス)や職場(セカンドプレイス)とは別の居場所」という意味です。
例えば次のようなことも「第3の居場所」を見つけるのに有効です。
- 勉強やセミナーなどの集まりに参加する
- スポーツや趣味の仲間を見つける
- ペットを飼う(第3の居場所とは言えないかもしれないが居場所を感じられる)
- ボランティア活動をする
結局、私たちは他者とのつながりの中にしか、自分の居場所を見出すことができません。 ですから、これまでと違うつながりの中に、自分の居場所を探すわけです。
また、自分と同じような属性を持った人たち、同じ悩みを抱えた人たちが集まるコミュニティに参加することで、自分の居場所を得る人も少なくありません。
メンタルヘルスなど、同様の悩みを抱えた人たちが集まるグループのことを「自助グループ」と言います。 何か特定の問題を抱えているなら、その問題を抱えた人たちが集まる自助グループに参加してみるのも良い考えです。
居場所づくりには貢献が必要
もし、なんらかのコミュニティで、自分の居場所を見出したいと願うなら、そこで何か「貢献」できることを探すことが近道です。
無条件で受け入れてもらうことばかりを望んでいると、やがてそこに居場所を見出せなくなってしまうでしょう。 コミュニティの初心者は、たいてい最初は無条件で受け入れてもらえるものです。しかし、それに甘えてばかりいると、そのコミュニティの人たちからそっぽ向かれてしまいます。
やっぱり何かしらの貢献によって自分の居場所を確保するしか、そのコミュニティで自分の居場所を確保する術はありません。
人は居場所がないと感じると、精神を病んだり、アルコールに溺れたりする。他者に貢献することで、居場所を確保すればいい。
(アルフレッド・アドラー)
まとめ
たとえどんな小さな範囲でも、自分の居場所だと感じられる場所があるかどうか? ── それが人生の満足度に大きく影響します。自分の居場所がないと感じているのなら……探しましょう!
ポイントは、自分と似た属性や興味を持った人たちのコミュニティを探すこと。そして、そのコミュニティで何かの役割を担うなど自分なりの貢献をすることです。
“居場所づくり”が上手くいけば、毎日はきっと充実したものに変わるでしょう。誰にでも必ず自分の居場所はあります。探しましょう。
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