「暗黙の了解」が誤解を生む

人とのコミュニケーションというものは、全てのことを相手に言葉で伝えているわけではありません。

例えば、誰かの機嫌が悪い時、わざわざ口に出して「今あの人は機嫌が悪いので刺激しないように」などと言葉にしなくても、周囲の人たちはなんとなく雰囲気で了解しているものです。

他にも「言わなくてもわかるよね」ということはたくさんあります。
そうした「暗黙の了解」というものが、日本人のコミュニケーションには根付いています。

「忖度する」という言葉が一時話題になりましたが、そうした「言われなくても察する」というのが日本のコミュニケーションスタイルだと言っても良いでしょう。

日本人はハイコンテクスト文化

国際的な比較においても、日本人は極めてハイコンテクスト(文脈重視)の文化だと言われます。

コンテクストとは文脈という意味で、文化的な背景や常識、前提といったものを共有している場合には、言葉を尽くさなくてもなんとなく分かり合えるので、ハイコンテクスト(文脈重視)文化になるのです。

しかし、異なる文化、人種、背景を持つ人同士であれば、そうはいきません。

アメリカなどは、極めてローコンテクスト(文脈は重視せず、内容を重視)の文化で、曖昧さを排除して徹底して言語化しようとします。

そうしないと相手に伝わらないからです。

欧米の国々はたいていローコンテクスト文化です。
この辺りのコミュニケーションスタイルの違いが、日本人にとっては言葉以上に外国人とのコミュニケーションにプレッシャーを感じる要因になっているかもしれません。

コミュニケーションのズレの要因

自分では伝えたつもりでいても「相手にうまく伝わっていない」「いつも誤解が生じる」という場合は、この「コンテクスト(文脈)」や「暗黙の了解」といったものに認識の違いがあるのかもしれません。

外国人と話す時はもちろん、同じ日本人でも異なる文化的背景を持っている場合には、そこに注意しておかないとコミュニケーションのズレが生じてしまいます。

例えば、70代の社長と20代の新入社員でやり取りした場合、前提条件などを逐一確認しておくようにしないと、必ずなんらかの誤解が生じることは明らかです。

年齢の違いや立場の違い、会社の違いや男女の違いなど、考えてみれば同じ日本人でもバックボーンはかなり異なります。

外国人でなくても、そうした異文化を持つ人とコミュニケーションをとる場合は、暗黙の前提をどれくらい共有しているのか気にしておいたほうが良いでしょう。

少しでもズレてるかもしれないと感じたら、「ちょっと確認なんだけど、これって〇〇ってことでいいんだよね?」と確認しておくようにすると、コミュニケーションのズレによる誤解が少なくなります。

こうしたちょっとした確認をしておけば、後で揉めることも少なくなるのではないでしょうか。


カテゴリ モチベーション雑学
 タグ  人間関係

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