不確実な時代のキャリアプラン
「計画された偶発性理論」
最近はテクノロジーの進化や環境変化が激しく、先が見通せない時代となりました。それに伴って人々の間には将来不安が増しています。
安定した職業を選んだつもりでも、10年後にはすでに稼げない職業になってしまう恐れだってあります。
こんな時代には従来のキャリアプランでは太刀打ちできません。今の時代に合ったキャリアプランを考える必要があります。
ここではそんな最新のキャリアプランに関する理論をご紹介します。
今後生き残っていくためには、絶対に知っておいて損はありません。
目次
キャリアプランとは?
キャリアプランとは、今後どんな仕事をしていきたいかという目標をたて、その実現のために計画を立てることをいいます。
働くことに関する人生設計と言っても良いでしょう。
働いていく上で、キャリアプランを持つことはとても大切です。
それがなければ、どうしても行き当たりばったりになってしまい、効果的なステップアップが難しくなるからです。
キャリアプランを持つということは、将来のために獲得すべきスキルや経験を明らかにするということでもあり、計画的にそれらを身につけていくということでもあります。
キャリアプランが描けない不確実な時代
ただし、現在はかつてのように明確にキャリアプランを描くことが難しくなりました。
変化が激しく、10年先のことを見通すのが難しくなったからです。
未来が不確実すぎて、個人として目指すべきキャリアプランが描けない時代なのです。
1970年代の高度成長期には、終身雇用が当たり前でしたから、いかに社内で出世するかがキャリアプランを描く上での大きなポイントでした。
1990年代にバブルが弾けると、雇用が不安定になり社外でも通用するようなスペシャリストを目指してキャリアプランを描くようになりました。
しかし、現在はそうして苦労して獲得したスキルや技術も、数年後にはAI(人工知能)などに取って代われる恐れがある時代です。
10年後には、総雇用者の約47%の仕事が自動化されるとも言われています。
また、今は人生100年時代と言われ、今後は70歳や80歳まで働くことが当たり前になると考えられています。新しい技術も次々と登場するなか、20代に獲得したスキルだけで50年も働き続けることは不可能で、何度もキャリアプランの変更を余儀なくされるでしょう。
キャリアの8割は予想しない偶発的なことで決まる
こんな時代を生き抜くキャリアプランとして、スタンフォード大学のジョン・クランボルツ教授によって提唱された「計画された偶発性理論」というものがあります。
キャリア理論の中で最先端の考え方の一つで、次のようなものです。
「個人のキャリアの8割は予想しない偶発的なことによって決定される。
だから、その偶然を計画的に設計して自分のキャリアを良いものにしていこう」
従来のキャリア理論では、明確な目標設定とその達成計画が重視されてきました。
しかし、この理論では偶然の積み重ねを大事にします。
そしてそうした出来事をいかにチャンスに結びつけ、キャリア形成に活かしていくかの重要性を説いています。
目標の定めて計画的に進んでいくというより、予期せぬ出会いや偶然を積み上げてキャリアを形成していこうというわけです。
意味ある偶然を引き寄せ、チャンスをものにしようとするキャリア理論です。
「計画された偶発性理論」5つの行動指針
そのために必要な行動指針として、クランボルツ教授は次の5つを掲げています。
こういった態度を持った人が、これからの時代はより良いキャリアを形成していくというのです。
①「好奇心」―― たえず新しい学習の機会を模索し続けること
②「持続性」―― 失敗に屈せず、努力し続けること
③「楽観性」―― 新しい機会は必ず実現する、可能になるとポジティブに考えること
④「柔軟性」―― こだわりを捨て、信念、概念、態度、行動を変えること
⑤「冒険心」―― 結果が不確実でも、リスクを取って行動を起こすこと引用:その幸運は偶然ではないんです!/ジョン・D・クランボルツ、A.S.レヴィン
どんな人物かをより浮かび上がらせるため、あえて真逆の人物像を想像してみましょう。
「なにごとにも興味を持たず自分の世界から出ようとしない。あまり努力せずネガティブで頭が硬い。」
不確実な時代に、このような態度ではチャンスをものにすることなどできないでしょう。
まとめ
「計画された偶発性理論」という言葉が硬いので、随分難しそうなことを言っているように感じますが、何も難しいことはいっていません。
「柔軟でチャレンジ精神旺盛で前向きに頑張る人でいましょうよ」と言っているのです。
今の時代、不確実な未来を予想してガチガチの計画を立てるのは不可能です。
「自分のキャリアプランが描けない」「やりたいことが見つからない」という人は特に、柔軟でポジティブな姿勢でチャンスを待つこのやり方を参考にしてみてはいかがでしょうか。
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