セルフ・ハンディキャッピング

セルフ・ハンディキャッピングとは、自分自身に不利な条件(ハンディキャップ)を設定することをいいます。

例えば、試験前に「昨日体調が悪くて全然勉強できなかったんだよね」などと発言するのは、セルフハンディキャッピングの代表例。

── 失敗した時に備えて、あらかじめ予防線を張る行為です。

これにより、もし失敗したらその原因は外部要因(自分で設定したハンディキャップ)であって、自分自身ではないという言い訳をしようというわけです。

これが誰に対する言い訳かというと、周囲の人に対してでもあり、自分自身に対してでもあります。

そこにあるのは、失敗によって自己評価や自尊心が傷つかないように身を守ろうとする自己防衛の心理的機能です。

こうした行為は無意識のうちに行われ、思い起こせばついやってしまっていたという人も多いでしょう。

なぜならセルフ・ハンディキャッピングは、失敗した場合はハンディキャップがあったから仕方ないということで自己評価を下げすぎずに済み、成功した場合にはハンディキャップがあったにも関わらず成功したということで自己評価を高めることが可能です。

つまりとても都合が良いのです。

したがって、中にはこれが癖になっている人も存在します。

聞いてないのに言い訳ばかりしてくる人は、周囲の人からは鬱陶しいと思われてしまいますよね。

度がすぎると悪影響も

ただし、これが癖になると手抜きが癖になってしまうので要注意です。

「失敗しても仕方ない。だってハンディキャップがあるんだらから──」
無意識のうちに自分の中にこうした設定がなされ、頑張ることをやめてしまいます。

「頑張れないよ。だってハンディキャップがあるんだらから──」
こうして頑張ること自体にもハンディキャップを設定するようになるかもしれません。

しまいには、元々は無かったハンディキャップを自ら作り出すことも……。
原因不明の体調不良や、トラブルですら、自分自身の潜在意識の心理的側面が作り出していると言う人もいます。

心というものは自分の気づかないところで巧妙に働いていますから、いつの間にか暴走している時があります。
セルフハンディキャッピングも度が過ぎると不都合の原因となります。

自分もやってるかもしれないなぁ〜、という人は少し注意してみると良いかもしれません。


カテゴリ モチベーション理論
 タグ  心理学

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