インナーチャイルド
〜心の奥でずっと怖がっている子供の自分
「インナーチャイルド」とは、大人になっても心の奥底に存在している幼い頃の記憶や感覚のことを言います。
その名の通り「内なる子供」などと言われ、通常は潜在意識下に隠れているのでそれを自覚することはありません。
しかし、インナーチャイルドは潜在意識下から、大人になった私たちにもひっそりと影響を与え続ける存在です。
インナーチャイルドが抱えた恐れなどが、心の内側から反応し続けるのです。
例えば、感情的にどうしても受け入れられないもの、無意識的に避けているものなどはきっと誰にだってあるでしょう。
それは、心の奥のインナーチャイルドが反応しているからかもしれません。
無意識下の幼い頃の記憶が、そうさせるのです。
また、過度に依存体質だったり、逆にひどく自分にも他人にも厳しかったり…。
ありのままの自分を受け入れられなかったり、どこかで自分を責め続けていたり…。
そんな性格が表れている人も、やはりインナーチャイルドの影響を強く受けていると考えられます。 そうした性格の元をたどれば、たいてい幼い頃の体験にさかのぼるからです。
インナーチャイルドの正体は、子供の頃の傷ついた心や、満たされず抑圧した感情です。
癒されないその記憶は、大人になってもなお残っているというわけです。
幼い頃の体験は強く心に刻まれる
幼い子供の心は、無防備で傷つきやすく繊細です。
ですから、その時に経験したことは強烈な体験として心の中に強く残るのです。
例えば、幼い子供は親に依存して生きていますから、親から見捨てられたら生きていけません。
少し成長した後は、集団の中で生きるようになるため、今度はそこで仲間外れにされたら生きていけないと感じます。
子供にとって、それは生死に関わるほど重大な問題であり恐怖を感じます。
そして、そうした恐怖はなんらかの体験を通して心に強く残ることがあります。
大人になってもどこか怯えたような態度が抜けない人は、インナーチャイルドにそうした恐れが刻まれているのかもしれません。
また、子供は親に見捨てられないために良い子を演じることがあります。
本当はもっと自由奔放にしたいと思っているのに、無理して優等生になろうとするのです。
しかし、そうしてずっと本当の自分を押し殺していると、いつの間にかありのままの自分を愛することができず、他者の愛に依存するような性格を身につけてしまうことがあります。
このように、その人のものの見方や性格というのは、その多くが子供時代の体験によって形成されたものです。
大人になり、その体験時代はもう忘れているかもしれませんが、その感覚はずっとその人の中に残っていて、いまだにその感覚を通して物事を見たり、反応したりしているのです。
インナーチャイルドを癒す
子供の頃の傷ついたの記憶であるインナーチャイルドは、それを原因として精神的苦痛を生み出すことがあります。
何かと不安でのびのびと人生を生きられないのなら、それはインナーチャイルドが傷ついたままなのかもしれません……。
だとしたら、ずっと放っておいたインナーチャイルドをどこかで癒してあげる必要があるでしょう。
自分の中にいるインナーチャイルドの話に耳をすませ、その存在を丸ごと受け入れるのです。
それは過去の自分を浄化し、今の自分を解放するプロセスです。ありのままの自分を生きていくために必要なプロセスと言っても良いでしょう。
インナーチャイルドを専門としたセラピーをやっている人もいるようですが、私もコーチングのセッションの中でそうしたことをやることがあります。
また、ハワイに伝わる伝統的な癒しの手法「ホ・オポノポノ」 を活用すれば、自分自身でインナーチャイルドを癒すこともできるでしょう。
最後に
ここまで見てきたように、インナーチャイルドは潜在意識の中にいて、時にあなたの性格や人生に大きな影響を与えています。
それが原因で、人生を大きく損ねてしまうことすらあります。
あなたの心の奥底で、ずっと一人で怖がっていた少女(少年)がいるのなら、その子の声を聴いてあげてください。
本当はもっと甘えたい、愛されたい、自由にやりたい、と思っているのに、ずっと押さえつけて来他のではありませんか……?
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