虚無感に襲われる原因とそれから逃れる方法

虚無感(きょむかん)とは、自分の存在価値や人生の意味が見出せず虚しさを感じることを意味します。
「自分は何のために生きているのかわからない」「全て何の意味もない」「この世界は空虚で虚しい」……
そういった考えに囚われている状態です。
強弱はあるものの、そうした虚無感を抱えながら生きている人は決して少なくありません。
誰でも一度はかかる”はしか”のような症状だと言う人もいます。
虚無感を感じやすいの次のようなタイミングです。
- 大切な何かを失った時
- 理想と現実に大きなギャップを感じた時
- やっていることに目標や意味が見出せない時
現実世界の中で、どこかにポツンと放り出されたような感覚の時、虚無感を感じやすいのかもしれません……。
目次
虚無感に襲われる原因
虚無感に襲われるのは、たいてい根が真面目な人です。
真面目だから一生懸命頑張る → でも報われない → 虚無感
乱暴に言うと、そんな流れです。
もともとは、その人の真面目さが原因となっていることが大半です。
虚無感に襲われるまでの流れ
真面目な人ほど虚無感に襲われやすいのは次のような流れに飲み込まれるからです。
真面目な人々は禁欲的な道を選んだ。
それが正しい道だと信じていたからだ。
そして、いい人であることこそ自分の存在を肯定してくれるのだと疑わなかった。
しかし、それと同時に虚しさを抱え込むことになった。
どこかで本当の自分を抑圧しなければならなかったからだ。
しかも、いい人であれば報われると思っていた期待はやがて裏切られる。
世の中、単なるいい人が損をすることは少なくないのだ。
頑張っても報われない……。
気づけば、暗いトンネルの中にいるようだ。
そこでは自分の発する疑問の声だけが反響している。
視界は狭くなり、肥大化する虚しさは、どんどん自分を飲み込んでいく。
出口の見えないトンネルの中で、ただ立ち尽くしている……。
少し誇張していますが、虚無感を感じている人の心の中はこんな感じではないでしょうか。
虚無感を生み出しているのは思考
さて、虚無感を感じているのは”心”かもしれませんが、それを生み出しているのは”頭”、つまり”思考”です。
思考が虚無感を生み出しているのです。
そしてその思考の中心にいるのは、たいてい道徳や常識でがんじがらめになり、「〜すべき」と自分を追い立てているもう一人の自分です。
虚無感から逃れるには、思考に偏りすぎて頭でっかちになった状態から脱しなくてはなりません。
それは、肉体的なもの、本能や野生に近い感覚を取り戻すということでもあります。
「理性と野生のリバランスをする」のです。
いい人をやめ、もっと自分の本能や野生を大切にしてみましょう。
心の底から望んでいることを追い求めることを自分に許可しましょう。
理性的で道徳的なあなたから、もう一人の自分を解放してあげましょう。
人間は虚無感を内包した存在

人間は誰しも最終的には死ぬ運命にあります。
それは避けることができません。
つまり、どれだけ頑張ろうと最後は全てが無に帰するわけです。
そういう意味では、人間というのはもともと虚無感を内包している存在なのかもしれません。
しかし、だからからこそ、その限られた時間をどう生きるか、というのが人間に与えられた命題なのです。
「人生は虚無。目標に向かって虹を架けるのが人生だ」
元日本陸軍通訳で、戦後には元捕虜の救済活動や和解活動に尽力した、永瀬隆さん(映画『クワイ河に虹をかけた男』)の言葉です。
つまり、人生は虚無だからこそ、何かの目標を持たなければならないというわけです。
哲学者であるニーチェも次のような言葉を残しています。
「人間の意志は一つの目標を必要とする。この意志は、何もしないよりは、いっそむしろ虚無を欲する」
人生に何の目標もなければ虚無感に苛まれますよ、と言っています。
虚無感は贅沢な悩み?
きっと、生きていくだけで精一杯の時代には、虚無感を感じる人は少なかったでしょう。
生きていくという目的のために精一杯で、アレコレ考えている余裕などなかったからです。
つまり、虚無感を感じるというのは、ある意味では高度で贅沢な悩みであり、生きる上で余裕があるからこそ感じるものなのでしょう。
(逆に言うと、何かに必死になって生きている人(行為に没頭している人)は、虚無感を感じる余裕などないということでもあります……)
虚無感から逃れる方法
目標といっても、何も具体的なものでなくても構いません。 そこに希望があれば良いのです。
個人的に最もおすすめなのは、子育てです。
限りなく本能に近いところにありますし、あなたの人生に否応無く意味をもたらしてくれるでしょう。
ペットを飼うというのも良いかもしれません。
自分のために生きられない人は、他人のために行動しましょう。
虚無感の中でくすぶっているよりは、何でも良いから何かを目指して行動した方が良いのです。
それが、たとえ周囲から見たら無意味なことでも良いのです。
行動してもまた報われないかもしれません。
それでも何かを目指して行動するしか、人間は虚無感から逃れるすべはないのです。
まとめ
- 虚無感を感じているのは自分だけではない。多くの人が一度は感じるもの。
- 虚無感に襲われやすいのは真面目な人。真面目だから一生懸命頑張る→なのに報われない→虚無感。
- 虚無感は思考から生み出される。
- 理性と野性のリバランスをしよう。
- 最終的に死ぬ運命にある人間は、もともと虚無感を内包した存在。
- 人生は虚無だからこそ目標が必要。
- 自分のために生きられない人は他人のために生きよう。
- たとえ報われなくとも、何かを目指して行動するしか、虚無感から逃れるすべはない。
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