人間万事塞翁が馬

『人間万事塞翁が馬』 ── という言葉があります。
(にんげん(じんかん)ばんじさいおうがうま)と読みます。
この言葉は「人生において何が良くて何が悪いかなど後になってみないとわからない」ということの例えです。
一見不運なことが、後になって実は良い出来事だったと気づく。
逆に、一見幸運なことが、のちに悪い結果を招く。
……人生ではそんなことがよく起こります。
だから、良いことにも悪いことにも一喜一憂すべきではないという昔話の教訓です。
現代語にすると
ちなみに「塞翁(さいおう)」は「塞(とりで)に住む翁(男の老人)」のこと。
つまり『人間万事塞翁が馬』を現代語に訳すと、『人間の人生は全て砦に住む老人の馬の話のようなものだ』ということになります。
人間万事塞翁が馬の由来
この言葉の由来は、中国の前漢時代(紀元前206~紀元前8年)の哲学書『淮南子(えなんじ)』に記された次のようなお話です。
昔、中国北方の国境付近の城塞のそばに住んでいた老人の馬が逃げてしまった。
近所の人たちは老人を慰めたが老人はこう言った。「もしかしたらこれは幸運なことかもしれないよ」
しばらくすると、逃げ出した馬がたくさんの馬を連れて帰ってきた。
近所の人たちは喜んだが老人はこう言った。「もしかしたらこれは不運なことかもしれないよ」
しばらくすると、老人の息子がその馬から落ちて骨を折った。
近所の人たちがお見舞いに行くと老人はこう言った。「もしかしたらこれは幸運なことかもしれないよ」
やがて国境付近で戦争が起きて多くの人が死んだ。
しかしおじいさんの息子は怪我していたので戦争に行かず無事だった……。
ここまで読んで、やっとこの言葉の意味することが理解できたと思います。
解説
私たちはつい出来事に対して一喜一憂してしまいます。
良いことが起きれば大喜びし、悪いことが起こればガッカリしてしまいます。
しかも、良いことが続けばつい調子に乗りやるべきことを怠るようになり、悪いことが続けばすぐに全てを諦めてしまうものです。
でも実は、良い出来事はのちに災いを引き起こすことがよくあります。
「油断大敵」「勝って兜の緒を締めよ」と言った言葉が昔から伝わっているのはそのためです。
良い時ほど失敗の種が潜んでいます。
逆に、悪い出来事はそれを機に人生が好転していくことも珍しくありません。
「失敗は成功のもと」「災いを転じて福となす」言った言葉が昔から言われています。
悪いことはそれをちゃんと活かせば次の成功につながるのです。
人生は本当に何が起こるかわかりません。
若い頃に無駄だと思っていたことが、数十年後に自分を助けてくれるようなことが起こります。
だから、人生で何が起こっても調子に乗ったり腐ったりせず、コツコツと自分がすべきことを積み上げていきましょう。
成功する人は皆この姿勢を身につけています。
人間万事塞翁が馬 ── 人生訓として奥深い言葉です。
『人間万事塞翁が馬』を座右の銘にする有名人
ちなみに、この言葉を座右の銘にしている有名人はたくさんいるそうです。
- 山中伸弥(iPS細胞でのノーベル賞受賞)
- 松井秀喜(元プロ野球選手)
- 岡田武史(元サッカー日本代表監督)
- 芦田愛菜(女優)
ついつい間違った態度をとってしまいそうな自分を戒める意味で、座右の銘としても最適かもしれません。
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